出産:「娩出力」・「産道」・「胎児」

出産:「娩出力」・「産道」・「胎児」

◆お産の進行役

 

「娩出力」「産道」「胎児」の3つが、
お産の進行を左右する3大要素といわれています。

 

これら3つのどの1つが欠けてもお産はうまくいきません。
3つがうまく調和することが大切です。

 

「胎児」は「娩出力」で外に押し出されます。
外に押し出された「胎児」は、「産道」を通って生まれてきます。
こうした流れをそこなわないことが大切なのです。

 

これら3つの要素をうまく働かせるための最大の要件は、
ママが、お産の間気持ちを落ち着けて、体力を保ち続けることでしょう。

 

 

◆娩出力(べんしゅつりょく)とは?

 

赤ちゃんを外に押し出そうとする力、これが娩出力です。

 

娩出力の1つが、陣痛です。
陣痛は、お産が近づくと始まります。
陣痛が始まると、子宮の内圧が高まります。
すると、赤ちゃんを包んでいる卵膜が子宮壁からはがれます。
はがれた卵膜の先がふくらみ、子宮口を押し広げます。
そうなることで、赤ちゃんが下に下がってくるのです。

 

理想的な陣痛とは、ちょうどいい時期にちょうどいい力で起こることでしょう。
また、規則的に続いてくれれば、ベストです。

 

さて、娩出力のもう一つは、いきみです。

 

陣痛が始まると、赤ちゃんの頭が子宮口を圧迫します。
すると、ママの体に、いきみたい感じが生じてきます。
やがて、子宮口が全開大になったら、
このときとばかりに、陣痛の波に乗っていきむようにしましょう。

 

 

◆産道とは?

 

赤ちゃんの通り道のことを、産道といいます。

 

産道には2種類あります。
「軟産道」といって、筋肉や靱帯からできているもの。
「骨産道」といって、骨盤を形成しているもの。

 

軟産道は、子宮頸管や膣、外陰部のことでもありますが、
お産が近づいてくると、ホルモンの働きでやわらかくなり、伸びやすくなってきます。
最初は小鼻のかたさくらいです。
それが、唇ていどに、
最後には、マシュマロのようにやわらかくなっていきます。

 

骨産道では、ホルモンの働きで、骨の継ぎ目がゆるんできます。

 

このようにして、赤ちゃんが通りやすい産道がつくられていきます。

 

妊娠中に余分な脂肪をつけると、この産道部分が狭くなってしまいます。

 

それと、赤ちゃんの頭の大きさがママの骨盤をスムーズに通れるかが問題となってきます。

 

 

◆胎児とは?

 

お産が近づくと、赤ちゃんは体を丸め、
骨盤のなかに頭を入れます。

 

骨盤は、入り口が横長の楕円形。
出口が縦長の楕円形です。

 

赤ちゃんは、この骨盤を通過できるよう、
体を回転させます。

 

骨盤のなかで一番狭いところが、恥骨のあたりです。

 

赤ちゃんがこの恥骨のあたりを通るには、
あごを上げ、後頭部を恥骨に当てて、
ちょうどテコのようにして進みます。

 

さらに、こうした狭い産道を通る工夫として、
赤ちゃんは、4枚ある頭の骨の継ぎ目を重ね合わせます。
そうやってできるだけ頭を小さくするのです。
自然の力とはいえ、赤ちゃんはたいへんな努力をしているのです。